晴。

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まだ見せるとか全然言ってないけど。と葵は眉間にシワをよせる。 自分の絵に自信がない葵にとってはあまり人には見せたくなかったのだ。 男子は葵の絵をまじまじと見つめ、へぇ、とか上手いなあ、とかそんな言葉を漏らしていた。 それを聞いて、照れなのか恥ずかしいのか、とにかく葵の顔は熱で集中した。 「あたし……上手くないから……」 もう自分が喋ってるのかもわからなくなっていた。 ――もう早く帰りたい。 葵の身体はだらだらと汗をかき、染めるようにして濡れていた。 冷や汗か脂汗かどちらかわからないが、とにかく嫌な汗……。 「すんごい、綺麗じゃん!」 男子は目をキラキラとさせていた。これぞビー玉のようであった。 「ありがとう……」 葵の唇はかすかに震えながらも、今度ははっきりと喋ることが出来た。
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