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太陽は、いつもより多く瞬きを繰り返しながら葵を見た。
いかにも、何言ってんだこの人という顔をしながら、だ。
しかし、そう思う太陽の心の中から自然と笑いが込み上げてきた。
「……はははは!」
「え、なんなの」
葵は、メロンパンをかじりながら、太陽の笑い声に驚いた。
「だって、これ開けただけなのに、そんな感動するから……」
「え、だって凄いじゃん」
葵は太陽の笑いに不思議でたまらなかった。ただ、自分が困難であったことを他人が簡単にできたら凄いな、と純粋に感じただけなのであるから。
「何、君。天然なの?」
「天然なんかじゃないわよ。ただ、あなたがこんな開けにくいの簡単に開けたのが凄いと思っただけなの」
太陽は手を顔で覆い、肩を震わせていた。おそらく、笑っているのであろう。
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