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「失礼ね。そんな肩震わせながら、笑うことないじゃない」
「だってなんか可愛いんだもん」
「なによう、それ。どうやって今の私の発言を繋げてそんな形容詞つけれるのよ」
そう言い、葵は顔をプールへと向けた。
怒ったわけでも、不快になったわけでもない。
いきなり“可愛い”と言われたのがただ恥ずかしかっただけ。
しかし葵は何故、“可愛い”と言われたのかすら全く、理解していなかったが。
葵の顔は既に赤面していて、メロンパンをかじる口は緩んでいた。
昨日の太陽の眩しい笑顔が見れたので、葵なりに和んだし、少し嬉しかった部分もある。
「まぁ、そう怒んなって」
葵の言い方がきつかったからなのか、太陽は勝手に“怒っている”と解釈したようだ。
「怒ってないです。お食事してるのです」
大口を開けてメロンパンを貪る。飲み物忘れた。口が乾く。と葵の口内が嘆いていた。
日本語がちゃんとなっていないのは葵のお得意で、絶対、国語の先生に怒られるだろ。というような喋り方をたまにする。
しかし、本人は気づいていない。
「はは。そうかい」
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