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太陽の笑いは徐々に小さくなり、聞こえなくなった。
「……今日、サボり?」
太陽が本を片しながら葵に聞いてきて、葵の頬張る口が止まる。
「うん」
口の中にメロンパンを入れていたから、太陽の耳には“むん”と聞こえていたが、肯定だということはわかった。
「授業が嫌?」
「……」
口の中で、なまあたたかい、ぐにゃぐにゃになったメロンパンを飲み込む。
サボりというのは事実だし、昼からの授業を受けないのは確かだが、授業が嫌なのだからではない。
葵自身、クラスに馴染めていなかったから、非常に居心地が悪かったからなのである。
自業自得だし、馴染もうと思えば努力すればいい話だ。
しかし、葵の“馴染めていない”はまた別な話であった。
クラスの人間から、無視をされたり、わざといないとされる。悪くいえば“いじめ”である。
葵が、自らをクラス内の“物体化”としていたのはこういう理由があった。
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