9人が本棚に入れています
本棚に追加
「遅かったから、お前のクラスに迎えに来たぞ」
太陽は手を伸ばし、葵の左手を引っ張り、立たせる。
「相宮先輩…どうして…?」
そんな葵と太陽のやりとりに、納得がいかない女子達。
女子達が口を開くと、相宮は彼女を睨んだ。それは、誰もが見たことのない冷酷な眼差しだった。
「…葵が何をした?」
「…え。」
“優しい爽やかな人”という太陽のイメージを作ってきた雰囲気は、今目の前にいる彼からは感じられない。
寧ろ、彼の存在は、女子達を身震いさせる程。
「葵が何をしたって聞いてんだけど」
太陽は、女子達にゆっくりと近づく。
「いや…その…」
壁に背中がついたと同時に、ガッ!と太陽はリーダー各の女子の胸ぐらを掴んだ。
「ひ…!」
両脇にいた女子達が、鉄板を爪でかいたような声を出した。
「僕は暴力が嫌いだ。特に女の子に対しては。…でも、葵をいじめるのは、許さない。」
冷酷なる表情をする太陽の声からは、怒りが丸出しだった。
そう言うと太陽は、リーダー各の女子の服を離した。掴んだ後が服に残っている。
最初のコメントを投稿しよう!