*03* ひと冬の恋

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…彼と自分からは連絡を取らなくなってから01ヶ月位たって 夜電話がなった。 ♪~~~ 梨「もし…もし?」 「あ,もしもし梨花?元気だった?」 梨「うん…」 少し話して電話を切った。 「じゃ‐,そろそろ切るね。 おやすみ梨花。大スキ…」 梨「うん,おやすみ。 あたしも,大スキ…」 プーッ…プーッ…プーッ …その時あたしは"この人はいつも自分の暇な時だけ電話をする"と思った。 別にそれが悪い訳じゃない。 彼はあたしがいなくても寂しくなって泣いたり,心が病んだりしない。 …彼は大人だった。 あたしと彼は心の余裕の度合いが全く違った。 …あたしは彼の様に心に余裕がもてなかった。 きっと切る際に大スキはあたしの本当の大スキではない。 サラッと嘘でも"大スキ"と言えた自分に少しびっくりした。 彼とあたしはきっと価値感と言うか考え方が違うんだろうと思った。 それは,当たり前のことであって彼とあたしは歳も違う。 住む場所も違うのに育った環境すら大幅に違う。 そんな02人の価値観が同じだと言う方が無理だ…
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