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「いいけど、太一も一緒にいいか?」 隣に住んでいる幼なじみ――天草太一の名を告げる。 幼稚園から大学まで、全く同じコースを辿った。調子いい性格だが、根は真面目な奴だ。 「ああ、別に構わないぜ。むしろ、人は多いほうが助かるっていうか」 「助かる?」 「いや、じゃあ9時半に大学前の『カルテット』で」 「ああ、分かった」 俺は、カルテットの美味しいモーニングでも食べるか、と呑気な欠伸をして、電話を切った。 「あー、太一まだ寝てんだろうな」 サンダルをはいて、寝癖でボサボサの髪のまま隣のドアを叩く。 4度目のノックで、「うっせぇよっ!」とキレた太一が出てくると、 「オス」 と手を上げた。
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