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「やっぱ、勇だし。何の用?俺、3コマからなんだけど」
二度寝する気満々な太一を追って、部屋に入る。
勝手知ったる、太一の部屋だ。
「相変わらず汚ねぇ部屋」
「うっせ。彼女持ちのお前と違って、俺は自由なの。片付けなんてクソ食らえだね」
「あ、そう。自由という名の、悲しい実態だな」
「こんな早くから嫌味に来たのかよ」
瞼が落ちかけている太一の背中を蹴る。
「痛ってぇ!」
「太一、犬井って知ってんだろ?そいつが話あんだってさ」
「犬井?……あぁ、あのチャラそうな奴か。勇、仲良かったのか?」
「いいや。急に電話掛かってきて、相談したいことがあるって」
「相談?」
目を擦りながら、太一が大きな欠伸をした。
ようやく目が覚めてきたらしい。
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