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「で、何で俺を?」
「俺、あいつ苦手なんだよ。だから太一も連れていっていいかって言ったら、いいって言うからさ。起こしに来た」
「巻き込みかよー」
呆れたように太一が言い、俺はそうそう、と当然のように頷く。
「モーニング奢ってやるから、行こうぜ。なんなら、今日の夕飯も差し入れていい」
「……しょうがねぇな」
まともに朝飯を食わない男子学生が、モーニングを、しかも奢りとくれば断らない。
それに加えて、今日は彼女がうちで夕飯を作ってくれることになってる。
太一には絶好の餌だ。
「9時に迎えにくる」
自分の部屋に戻ろうとした俺の耳に、
「クソッ。俺も彼女欲しい、お金欲しいー!」
太一の心からの叫びが聞こえた。
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