【1】

8/44
前へ
/79ページ
次へ
「お、東!」 カルテットという名の喫茶店に入ると、1番奥の席に犬井が座って待っていた。 隣には、サークル仲間の筧と横倉も座っている。 「何?話って」 3人と向かい合うように太一と2人、腰掛けると、 「まぁまぁ。何か食わない?俺、奢るからさ」 犬井がヘラヘラした顔で言った。 「マジで、奢り?」 飛び付いたのは太一だ。 「ああ、何でも頼んでいいぜ。なんなら、全メニューでも」 犬井は余裕の表情でメニューを太一に投げた。太一は目を輝かせてメニューを見ている。 こいつの事だからきっと、高い物を頼むに違いない。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加