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やっと頭がはっきりしてきた。
昨日はたしか、仕事が遅く終わり、暗い夜道を一人で帰っていた。そこまでは覚えているが、その先は記憶にない。
俺は、鉄の扉の前まで行った。
とにかくここから出なくては。そう思ったのだ。
鉄の扉を下から上へ見上げると、力いっぱい扉を押した。
だがびくともしない。
「無駄だ、やめておけ」
そう声をかけてきたのは、顎髭の男だった。
俺は、その台詞の意味を一瞬で理解した。
きっと他の人達も、同じように扉を開けようとしたのだろう。だが全くの無駄だったのだろう。
扉が開かないのがわかって、だんだんと状況が把握できてきた。
俺は監禁されたのだ、見ず知らずの男達と一緒に。
だが、何故監禁されたのか?新たな疑問だ。
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