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「鬼ごっこは終わりにしようや?黒鷹くん」
男はマシンガンを再び構えて、岩壁に近づいていく。
「別に逃げてるわけじゃないぜ……」
黒鷹と呼ばれる少年は岩壁を飛びだし、次の岩壁へと走った。
「逃げ足は早いな……」
すぐに隠れてしまう少年を見て、男は諦めたようにマシンガンを握る手を弛めた。
「(俺にはこのSPECがある。確実なタイミングを狙うぞ)」
男は決心したように少年を追う。
しばらくすると、黒鷹と呼ばれる少年が立ち止まった。
「行き止まりだな。黒鷹くん!ぎゃあはははは!!やべぇ、マジ笑えるぜ!逃げた方はただの崖とか!あははははっっ!」
男はこの付近に属するチームであるため、高速道路であるここがすでに道が絶えているのを知っていた。
そして追い込まれた少年を見て、笑えが止まらなくなってしまったのだ。
「やっぱ、黒鷹の偽者だったようだな!
こんなバカ初めて見たぜ」
前方には、道がが中央から真っ二つになっていて、少年はその端にいた。
ここから落ちたら死と断言していい程、高さがある。
「ちっ……」
黒鷹は銃を構えて、数発打つ。
しかし追い込まれたからだろうか、全然見当違いの場所に行く。
男はそんな弾丸に目をくれずに黒鷹に向かってマシンガンを構えた。
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