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「元々、俺はお前を狙っちゃいない」
そこで男は気付いたように周りを見る。
地面には一定空間を空けて、杭が刺さっていた。
「……杭だと?」
周りには何十の杭が並んでいた。
しかし、杭など打ち込む時間はなかったはずだ。
だとすると...。
「その銃か?」
男は睨み付けるように少年の銃を見る。
よくみると、ボウガンのように杭が発射される仕組みになっているようだ。
「正解だ。
多分、少しでも動いたら死ぬよ」
道化師のような笑みを浮かべたまま、少年は立っている。
「嘘だな。
ボウガンごときで、ここは壊せない!
ただの脅しだ!」
そう、確かに橋は真ん中から破壊されているが、そんなの関係ない。
コンクリートで出来ている橋が、そんな杭の数本で破壊されるはずがない。
「これまた正解。確かに壊せない。今のままじゃ」
道化師は最高の笑顔を浮かべて、ただ男を見ていた。
まるで、試すようにたしなめるように。
「なら、死ぬ!!」
マシンガンを再び構えた。
そして数発の弾丸が空気を裂きながら、少年に向かう。
「しかし、残念。
君の負けだ」
少年はそう言うと、高く舞い上がり反対側の道に着地した。
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