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―ガチャ 「何か手伝ってもいいですか?」 「ほんと?ありがとう、助かるよ。じゃあお皿を…」 「もう智兄?仁伊奈はお客さんなんだから座っててもらっていいじゃん!!」 「……」 ドアを開けてまず、この和気あいあいとした雰囲気に驚き、次に超優しいスマイルを浮かべた智兄に頬を赤く染めた仁伊奈に驚いた。と言うより絶句した。 「おぉ、和基。起きたのか!!」 「優くん…」 優基はおれのもとまでやってきて、熱はないか額をコツンと合わせ、『大丈夫?』と聞く。 どことなく救われた気分…。 「おぅ。起きたか。和ちゃん」 「大丈夫?」 続いてキッチンを出たり入ったりしている智兄と仁伊奈が、安心したようにふにゃっと笑う。 ふわっとした空気が似ている気がして、なんか…ムッとなる。 おれは智兄の隣に立っている仁伊奈の所までズカズカ歩いていき、彼女の腕を引っ張った。 「智兄。仁伊奈を誘惑しないでよ。この天然たらし!!」 「てっ、天然たらしだと!?」 「か、和ちゃん」 「あはははは!!」 ―おれは至極真面目です。 なので、キッと智兄を睨み付ける目はそのままに、仁伊奈の照れる声と優基の笑い声は耳からシャットダウンした。
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