プロローグ

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手が尋常じゃないぐらい汗ばんでいる。 電車に揺られ1時間半。 酔いなどではない気持ち悪さが私を支配していた。 「ねぇ、大丈夫かな」 「心配しすぎ。ちょっとはポジティブに考えな」 と、私の心配を吹き飛ばすかのように隣で親友は笑った。 だけど私は笑っていられない。 これからの人生が半分かかっていると言っても過言ではないのだ。 「ちゃんと持って来た?」 不安な面持ちで私の顔を覗き込む。 「大丈夫。もし忘れても脳内にインプットしてあるから」 お互い少し笑みがこぼれ、私たちは向かった。 高校の、合格発表へ。  
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