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6月、つい先日、梅雨が始まったとテレビの天気予報が告げていた。 今日は土曜日、時刻は5時30分、橘涼子は勤め先の美容室から帰宅している最中。 傘はさしているが、この強い雨だ、既に足下は濡れてしまっている。 おまけに湿度が高いため、せっかくヘアーアイロンで真っ直ぐにした髪の毛が、今は毛先がくるりと丸くなってしまっていた。 首にへばりつく髪を鬱陶しく払いながら、すぐそこの小さな交差点を右に曲る。 その時だ…電信柱の裏に何かが見える。 ………人? あまり関わらない方がいいような気もしたが、やはり気になるものは気になる。 近ずいてみると、男の子がうずくまっていた。 .
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