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何と健気なことだろうか。自分が濡れるのも気にせずにその身で猫を守っている。 最近の若者ときたら、やれタバコを吸うわ、やれ酒は飲むはで本当になっていない。 私でさえタバコを覚えたのは21になってからだというのに…。 ちなみにお酒は無理だ。すぐに酔って顔が赤くなってしまう。 …まぁそんなことは置いといて、この少年は実にいい。それに猫のことも気になる。 だから私は思い切って声をかけた。 「じゃあ私の家こない?」 「………は?」 少年はぽかんとした表情をしている。少し話を省きすぎただろうか? 「あーっと…。猫、ずっとそのままってわけにはいかないでしょ?だから私が飼ってあげる」 「………」 少年は少しの間黙ると猫の頭を一撫でし、私に向かって猫を抱き上げてきた。 .
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