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それからしばらく何が好きかとか初歩的な質問をしていたら
「…お見合いみたいですね?」
と笑っていた。
その笑顔もまた可愛かった。
『そうだね。』
笑顔で答えると同時に圭くんの携帯が鳴った。
「あ…」
『出ていいよ。』
「すみません…」
―ピッ
「…もしもし?洋介?…」
―ガチャ
「お兄ちゃ~ん…あれ?」
『バカ…』
「ごめんごめん…あ、後はやっておくから今日はちゃんと食べて来て。」
『あ~…多分ね…』
「もう…」
―ピッ
「すみません…」
『大丈夫だよ。圭くん、こいつ俺の妹で、たまに手伝ってもらってるんだ。』
「はじめまして、倉田圭です。」
「はじめまして、礼です。」
『店の前に居たから俺がナンパしちゃった!』
「綺麗な子だもんね!あ、圭くんお願いしたいことあるんだ。」
「え…ぼ、僕ですか?」
「そ。」
「はぁ…出来ることなら…」
「あ、簡単よ!」
そういう礼の顔はニヤついていて何を考えているんだか…
「お兄ちゃんと夕飯食べてほしいだけだから♪」
「え…」
グッジョブ、礼。
…じゃなくて!!!
『はぁ…礼…圭くんに迷惑だろ?圭くんだって家族がいるんだから…』
「だ…大丈夫です!」
かぶせ気味に圭くんが答えてきたから俺はビックリしてしまった。
『え…』
「じゃ、圭くん、よろしくね!」
「は、はいっ!」
「お兄ちゃん、ちゃんと食べて、圭くん送ってくるまで帰ってきたらダメだよ!」
『お、おう…』
「はい、さっさと行くっ!」
「あっ…!」
『お…おいっ!』
―ガチャ ‥ バタンっ
…こうして俺たちは荷物を持たされ店を追い出された…。
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