2/7
前へ
/16ページ
次へ
『あち~…』 8月12日。 この日、俺は珍しく卵を切らしたから妹の礼に店番を頼み、買い出しへ出かけていた。 青空で、雲ひとつない快晴。ジメジメと暑い。 『何でよりによって卵なの…俺って馬鹿じゃん…』 独り言をブツブツ言いながら、スーパーから出て、店へ帰ろうと歩き出した。 スーパーから喫茶店までは50mほど歩いて角を曲がってすぐという好条件。 スーパーを出た俺は角を曲がり、店の前で、近くの交差点を見つめて、信号が変わっても歩きださずに、交差点を見ている少年がいた。 俺は少年に近づき、声をかけた。 『ねぇ、何を見ているの?』
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加