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買い出しの荷物を片付けて下準備をしていた。
少年はずっと交差点を見たまま…。
喉が渇かないか気になり、オレンジジュースを奢ることにした。
『はい、どーぞ。』
「え…」
『俺から誘ったし、奢るから。』
「あ、すみません…何も頼みもしないで…」
『いいよ。それより、名前聞いてもいいかな?俺は高崎昭人。27歳。』
「僕は倉田圭です。17歳です。あの…6時くらいまでここに居てもいいですか?」
『いいよ。好きなだけ居て。何か用があったら、いつでも声かけていいからね?それじゃ。』
笑顔で答えると俺はまた仕事へ戻った。…といってもカウンターに戻っただけなんだけどね。
それにしても…中学生くらいかと思ってたのに17歳…。綺麗な顔立ち…。声も高すぎず、低すぎず、いい声だった。
カウンターから圭を見たら、外にいた時同様、静かに涙を流していた…声も出さずに…。泣いている綺麗な横顔だけが見えた。
―君は誰をおもって泣いているの?何をみているの?いつか聞けるかな…。
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