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「あの…」
『ん?』
「なんで…優しくしてくれるんですか…?」
ジュースを見つめながら聞いてきる姿はまだ子供で、可愛い感じがした。
『…泣いてる姿が可愛かった。』
「…え?」
少し驚いた顔をしながら圭は顔をあげて、俺と目が合うと恥ずかしそうに目を伏せた。
『俺、色んな可愛いや綺麗が好きなんだよね。』
「色んな?」
『そ。綺麗な景色、可愛い形の食器とか……人もね。』
「へぇ…。」
『圭くんの泣き顔を綺麗だし、可愛いと思ったら声かけてたんだよね。俺から声かけるなんて滅多にないんだよ?』
「…そうなんですか?自然だったからビックリしました。」
『内心ドキドキだよ?でも、この機会を逃がしたら、もう会えない気がしたんだよね…。』
「……そうですね。」
反らしていた視線を交差点に向け圭は言葉を続けた。
「…ここの交差点は月1で来るだけで、あとはこの道を通らないようにしてましたから…。」
悲しそうに笑った顔も綺麗で俺は見とれてしまった。
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