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邵可は戸を大きく開き、中に招き入れる動作を見せる。
「さぁさ、立ち話では疲れてしまう、中で寛いでいくと良い。」
「ありがとうございます、あの…秀麗様達は?」
「秀麗ならまだ王宮だろう、泊まりで頑張っているようだよ。静蘭はあの子に朝食を届けに行ったみたいだね。私が起きたころにはもうもぬけの殻だった。」
「ふふ…そのようですね。」
屋敷の玄関を潜る、屋敷内には人の気配はなく、本当にいないようだった。
長く続く廊下を進み案内されたのは‥唯一、秀麗が綺麗にしたであろう部屋。
「座って待っていなさい、今お茶を入れよう。」
「お茶なら私が、」
座ろうとしていた動作からすぐ姿勢を戻す少女、だがそれを邵可が制する。
「君は客人だ、私に気を使うことはないよ。さぁ、座って。」
「では…」
慌てることもなく、案内された椅子に座り少女は邵可が持ってくるお茶を待つ…。
様子からして少女は邵可の“父茶”を知らないようだ…。
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