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爆音と共に、もうもうと白い煙が舞い上がる。
視界を奪うそれに舌打ちをしつつ、神経を研ぎ澄ませた。
大丈夫。
相手は下っぱ連中。
こんな状況なら何回もあった。
心中で唱えつつ、不意に飛んできた弾丸を刀身で弾く。
足を微かに動かすと、じゃり、と床が擦れる音がした。
と、同時にある考えが閃く。
再び飛んできた弾丸を頭を下げて軽く避けながらしゃがみ、先ほどの爆発で崩れた家屋の一部を手にとる。
適度に重さのある手のひらサイズのそれを、
「よっ。」
勘に任せておもいっきりぶん投げた。
ガッシャーン!!
「な!?」
「何だ!?」
「ガラスが割れた!!」
「ビンゴ。」
ぽつりと呟き、低い体勢のまま地面を蹴る。
煙が、割れた窓から新鮮な空気と入れ替えにどんどん出ていく。
みるみる開ける視界。
「や、奴はどこだ!!」
「ここだよ。」
騒いでいた男の問いに、仲間が答える前に、答えてやる。
醜く引きつったその男の顔は一瞬で消え、変わりに真っ赤な花が咲いた。
振り返りつつ、ぽかんとこちらを見ている男達に、微笑んで見せる。
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