崩れる日常

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『ここで臨時ニュースのお知らせです』 人々の吐く息が白くなり、空から冷たい氷の結晶がちらほら舞い降りる季節になった東京。そこで全ての始まりとなるニュースが流れようとしていた。 これから学校へ行く者、別段面白くもなくただ金の為に会社へ行く者、臨時ニュースなどよくある話、彼らは耳を貸すことなく歩を進めていた。 だが、その足は次の一言でピタリと止まることとなる。 『今朝未明、東シナ海にて貴重な財宝が発見されました。おおよそ一万年前から存在していた物と思われ、現代の価値にして一兆円は下らないとのことです』 国家予算にも匹敵する財宝の話は皆の心にしかと刻み込まれる事となる。 『ですが領海付近であったため韓国側が“これは私達のものだ”と主張しているとのことです。詳しい情報が入り次第、お伝えしたいと思います』 ざわめきたつスクランブル交差点。 だが人々はまだ知るよしもなかった。これが世界の終わりを告げるものだということを。
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