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人生をリセットできるというボタンだ。
まさか兄がこれを――。
ははっ。馬鹿馬鹿しい。こんなただのボタンにそんな力があるわけない。
……でも、もし本当にリセットできるんだったら――。
なんだか途端に不安になった。僕がこんなボタンを拾ってきたせいで兄が消えてしまったのかもしれない、なんてことを想像したから。
でもそしたらなんで学校にボタンが落ちてたんだ?
うーん。わからない。って、もう八時じゃん。はやく学校行かなきゃ!
僕はあわてて家を飛び出した。
兄は今日あたりにひょっこり帰ってくるかも知れない。そんな希望を抱きながら。
しかし、この日も兄は帰ってこなかった。
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