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「おい、まだ終わらねえのか?」
暗闇の中、男の低い声が響く。男の左手には小さな懐中電灯が握られているが、その明かりは現在消されており、窓から差し込むかすかな月明かりにより、彼が筋骨たくましい青年であることのみが見て取れた。
「ふん、とっくに終わってるさ」
もう一人の男が、先ほどの男の声に応える。その声は冷たい響きを湛え、その男の冷酷さを表している様だった。
「なら、何故ぐずぐずしているんだ、早くずらかろうぜ」
筋肉質な男はいらいらした様にもう一人の男の元へと歩み寄る。その時、それまで筋肉質の男により遮られていたかすかな光がもう一人の男へと差し込み、彼の掛ける眼鏡がきらりと光った。
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