葵の夢

9/9
前へ
/313ページ
次へ
「葵…? 泣いてるの…?」 「泣いてなんかねぇ… つうかオマエ、あんだけヒドいこと言われてオレの事ウザいと思わねぇの?」 「ウザいに決まってるでしょ!? …でもね、それ以上に葵を支えたいって気持ちが強いの… だからお願い…扉を開けて…? まぁ、開くまでずっと待ってるけど!」 美姫…オレ、オマエが好きだ… 死ぬほど… 【月】だって、【太陽】に恋しても良いよな? 決して会えない対極の存在でも… それでも近づきたい…オマエに… もっと知りたい…オマエのことを… オレは扉を開けた… それはオレからしたら大きな一歩… 美姫のことを知るにはまず、オレから近寄らなきゃいけない…どんなに辛い恋でもオレは… 「あ~ぁ! ホントにお節介なヤツだよ!オマエは! そんなにビーフシチューが食いたいわけ?」 「エヘヘッ♪ 食いたいわけ♪ 扉やっと開けてくれたね…」 扉を開けると、満面の笑みを浮かべた美姫がいた… オレにとっての【太陽】… 嫌いだった【太陽】… オマエはオレの心の闇を優しく照らしてくれる… 恥ずかしくて言葉には出せないけど、オレだけの【太陽】でいて欲しい… ずっと…
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8023人が本棚に入れています
本棚に追加