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今にして思うと馬鹿なんじゃないかと心底自己嫌悪に浸った。まだ巫女が動いていないというに一体どこの巫女を探すというのか。
「こんな霧じゃ探しようもないけど」
ふらふらとさまよいながら湖まで着ていた。こんな所があるとは、いささか動くのが面倒くさい自分に呆れる。退屈ならいろんな場所に見に行けばいいのに。ふと空を仰いでため息でもつこうかと思った矢先。
「……いた」
まさにその最中だった。妖精がスペルカードを宣言し、単純な弾幕を浴びせる一方、巫女はひょいひょうと苦もなく避けていた。
「しかし、最近の巫女は変わったな。黒いし帽子被ってるし金髪だし箒に乗っかってるなんてまるで魔女じゃないか」
そして黒い巫女がスペルカードを宣言した瞬間、目の前が光の線で見えなくなってしまった。なんなんだこれは,弾幕もなにもありゃしない。せっかく参考にしようと思っていたのに無駄足だったな。
そう思ってるところへ赤い服を着た少女が黒い巫女に近づいてきた。
「ああ、あっちが巫女か。でもう一人が魔女なわけね。……人間だろうな、巫女と一緒に異変解決しにきたなら」
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