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朝起きてみると何やらあたり一面が真っ赤な霧に包まれていた。血のように赤い霧だったため最初は妖怪か人間がルールを破ってきたのかと緊張したが、どうもただの霧だ。
「これは一体、なんなの?」
早速情報を集めることにした。驚くことにこの霧はかなり広範囲まで広がっているらしく、特に害はないこと。蒸し暑いことこのうえないが、きっと妖怪の仕業だろう。
「とりあえず放っておくのが一番だ」
こういうのは人間が解決することだ。それは昔から変わらないしきたりのようなものなのだ。余計なことしてとばっちりを食らうのはごめんだ。
そう思ったのが三日前。まだ赤い霧が出ている。一体人間たちは何をしているのか。もしやこの幻想郷には陰陽師や山伏なんかがいないのだろいか。
「え?巫女がいるって?じゃあ巫女が今、その妖怪の下に行ってるのかな。違う?……ああ、なるほど」
そもそもこれは異変といって妖怪の力を失わないようにするための遊びなのだという。妖怪の起こした異変を巫女が解決する。それもスペルカードルールで。
一度見に行くのも悪くないんじゃないのかという仲間の提案に乗り、決闘中の巫女を探しに行くことにした。あてもなく。
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