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「テレビつけていい?」
唯の可愛らしい請願がキッチンで朝ご飯の下準備をしていた俺に届く。
「ああ。いいよ」
俺は手元のフライパンから目を離す事無く簡潔に了承する。すると、ありがとうと返事と共に唯とは違うが、聞き慣れた女性の声が聞こえて来た。
おそらく唯は"また"あれを見ているのだろう。
「本日の占い一位は……
いて座の貴方!!
そして残念最下位は…………………………
…………………………
…………ふたご座の貴方!!」
この女性アナウンサーは最下位の溜めが物凄く長い。時によっては30秒程溜める場合もある。まぁ毎日聞けばある程度は慣れて来るが。
唯は毎朝この時間になると必ず俺に許可をもらってからこの番組を見る。だが、おそらく番組が好きと言うより占いが好きなのだろう。
唯は、俺が今さっきに作ったホットミルクをカーディガンの裾を断熱材代わりに使って飲みながら、不幸回避のおまじないに真剣に耳を傾ける。
「占い好きだな、唯は」
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