第三章

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いち早く悲鳴を聞きつけて来たのは、山崎だった。 山崎は土方に言われ、菖蒲が長州の回し者かどうか探っていたのだ。 「どうしたの~!?菖蒲ちゃ…ん…」 山崎が見たのは… 見る影も無くバラバラになった障子と、涙目の菖蒲、頬を腫らして気絶している新八だった。 菖蒲は山崎に気づくと、泣き出した。 「山崎さん…う…うえぇぇぇん!」 ようやく土方、左之も駆けつけ、山崎は左之に菖蒲を任せ土方と共に、居なくなった。 ※新八は山崎が引きずって行った。 左之は菖蒲が泣き止むまで頭を撫でていた。 しばらくして、菖蒲も落ち着き左之は何があったのか障子の残骸を菖蒲と片付けながら聞いた。 「何があったんだ?」 菖蒲は何があったのか説明した。 朝起きて、着替えていたら新八がいきなり障子を開け、着替えを見られて悲鳴をあげ、新八を殴ったと説明し終わると- 怒れる赤毛の獅子がいた。 「あのヤロウ…ゆるさねぇ…」 ゆらりと立ち上がった左之を菖蒲は慌てて止めた。 「さっ左之さん!落ち着いてください!着替えを見た報いは自分で新八さんにくれてやりますから!」 菖蒲の必死の制止に左之はしぶしぶ新八をしめるのを諦めた。 「わかった、わかったよ菖蒲。 でもいざとなったら俺を呼べ、いいな?」 菖蒲はにっこりと笑いながら答えた。 「はい」 新八はまだ知らなかった…菖蒲の怖さを… 菖蒲は左之に頼み、部屋を借りて寝間着を着替え、青い着流しを着て今は朝食の準備をしていた。 ※左之は土方に説明しに行った。 .
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