第一章

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浪人が逃げ、菖蒲は赤毛の青年に礼を言う為、話し掛けた。 「あの!助けていただき、ありがとうございます!」 菖蒲は深々とおじぎをして言った。 「ん?ああ、いや大したことしてねぇから礼はいいぜ」 赤毛の青年は少し照れているのか、顔が赤い。 「あの!私は天霧 菖蒲と申します。是非お名前を教えてください」 「ああ俺は原田 左之助ってんだ」 菖蒲と原田は連れ立って歩き始めた。 (茶髪の青年は既に忘れられてるようだ) 二人はしばらく談笑して、一軒の茶店の前で止まった。 「ここから少し行った所に、宿屋がある。そこに泊まるといい」 「はい!重ね重ねありがとうございます!」 菖蒲はまたおじぎをして、二人が別れようとしていた時― 「見つけたぜ!!仲間をやった落とし前は返してもらうぜ!!」 菖蒲と原田の前に現れたのは、あの時に逃げていった浪人と仲間だろう三人がいた。 「てめぇら女には傷つけんじゃねぇぞ!野郎だけかたしちまえ!」 「「「おぅ!!」」」 四人が一斉に刀を抜き、斬りかかってきたが、原田にアッサリ返り討ちにされた。 「うーん…こりゃぁマズいな…菖蒲!」 「はい?」 「どうやらこいつらよ…お前目当てらしい。このままだと、またお前を狙ってくるだろうから、悪いが一緒に屯所に来てくれねぇか?」 「!わかりました」 こうして、菖蒲と原田は屯所に向かった。 (やっぱり忘れられてる茶髪の青年。誰か分かるよね?) .
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