611人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
浪人が逃げ、菖蒲は赤毛の青年に礼を言う為、話し掛けた。
「あの!助けていただき、ありがとうございます!」
菖蒲は深々とおじぎをして言った。
「ん?ああ、いや大したことしてねぇから礼はいいぜ」
赤毛の青年は少し照れているのか、顔が赤い。
「あの!私は天霧 菖蒲と申します。是非お名前を教えてください」
「ああ俺は原田 左之助ってんだ」
菖蒲と原田は連れ立って歩き始めた。
(茶髪の青年は既に忘れられてるようだ)
二人はしばらく談笑して、一軒の茶店の前で止まった。
「ここから少し行った所に、宿屋がある。そこに泊まるといい」
「はい!重ね重ねありがとうございます!」
菖蒲はまたおじぎをして、二人が別れようとしていた時―
「見つけたぜ!!仲間をやった落とし前は返してもらうぜ!!」
菖蒲と原田の前に現れたのは、あの時に逃げていった浪人と仲間だろう三人がいた。
「てめぇら女には傷つけんじゃねぇぞ!野郎だけかたしちまえ!」
「「「おぅ!!」」」
四人が一斉に刀を抜き、斬りかかってきたが、原田にアッサリ返り討ちにされた。
「うーん…こりゃぁマズいな…菖蒲!」
「はい?」
「どうやらこいつらよ…お前目当てらしい。このままだと、またお前を狙ってくるだろうから、悪いが一緒に屯所に来てくれねぇか?」
「!わかりました」
こうして、菖蒲と原田は屯所に向かった。
(やっぱり忘れられてる茶髪の青年。誰か分かるよね?)
.
最初のコメントを投稿しよう!