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ーー店の前に着いた俺は、あの時のようにドアを開けた。
ただ一つ違ったのは、今日は真央ちゃんが迎えてくれた事だ。
「達哉さん、お待ちしていました」
ちくしょう~!やっぱ可愛い。
「こちらへどうぞ」
通された先は、店の休憩所みたいな所だった。
真央ちゃんは俺の前にお茶の入った湯呑みを置くと、テーブルを挟んで向かい側に座った。
そして、
「この間は本当にごめんなさいね」
頭を下げる真央ちゃん。別に真央ちゃんが悪いわけじゃないのに・・・
「いえ、全然気にしていないんで大丈夫!」
嘘だ。本当は超気にしている。
「愛美は幼なじみで、妹みたいなものなんです」
え?
「え?」
と、ドアの外からも誰かの驚く声が聞こえた。
俺がドアをバッと開けると、そこにいたのは由里だった。
「お前立ち聞きしてんなよ!」
すると由里は、ばつが悪そうに、
「ごめん、すごくお兄ちゃんが気になったからさぁ」
可愛い事いうじゃん!
・・・でも、本当はただの野次馬根性なんだろ?こいつは昔からそういう奴だ。
俺は騙されないぞ。
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