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あれから数日後、
帰宅した俺は、ふと玄関先で見慣れない靴を発見した。
『由里(ユリ)のヤツ、また新しい靴買ったのか?この間買ったばかりじゃなかったか?』
一瞬そんな考えが頭をよぎったが、キチンと綺麗に揃えられてある所が由里の物ではない事を物語っていた。
由里は俺の妹で高一。
アニメや漫画に出てくるような萌え要素は一切持ち合わせてはいない、ガサツでどちらかといえば弟のような奴だ。
『友達でも来てるのか』
そう思いながら階段を上がり、二階の自室へと向かう。
階段を上がるとすぐが俺の部屋だ。
中に入ろうとしたら、隣の由里の部屋から楽しそうな話し声が聞こえてきた。
『やっぱ誰か来てんだ』
と、ドアを見つめていると、いきなりガチャリと隣のドアが開いて、
「お兄ちゃんおかえり~!部活おつかれ」
と、由里が顔を出した。
「いや、今日は上田んトコ行っていたんだけど、って・・・友達来てんのか?」
と、俺が聞くと、
「あっ!お兄ちゃんには紹介していなかったっけ?」
そう言って振り返り、
「真央(マオ)ちゃん、コレうちのお兄ちゃん。牧野達哉(マキノタツヤ)私と同じ高校の二年で、彼女ナシ」
「お前、自分の兄貴を紹介するのにその言い方はなくねえ!?」
文句を言いながら中を覗きこんだ俺は、思わず息を飲んだ。
何故かと言うとそこには、あの日に街で出会った美少女が座っていたからだ。
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