【第一話】優しい小悪魔

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ーー店の前に着いた俺は、あの時のようにドアを開けた。 ただ一つ違ったのは、今日は真央ちゃんが迎えてくれた事だ。 「達哉さん、お待ちしていました」 ちくしょう~!やっぱ可愛い。 「こちらへどうぞ」 通された先は、店の休憩所みたいな所だった。 真央ちゃんは俺の前にお茶の入った湯呑みを置くと、テーブルを挟んで向かい側に座った。 そして、 「この間は本当にごめんなさいね」 頭を下げる真央ちゃん。別に真央ちゃんが悪いわけじゃないのに・・・ 「いえ、全然気にしていないんで大丈夫!」 嘘だ。本当は超気にしている。 「愛美は幼なじみで、妹みたいなものなんです」 え? 「え?」 と、ドアの外からも誰かの驚く声が聞こえた。 俺がドアをバッと開けると、そこにいたのは由里だった。 「お前立ち聞きしてんなよ!」 すると由里は、ばつが悪そうに、 「ごめん、すごくお兄ちゃんが気になったからさぁ」 可愛い事いうじゃん! ・・・でも、本当はただの野次馬根性なんだろ?こいつは昔からそういう奴だ。 俺は騙されないぞ。
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