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ーー午後八時。
「ただいまぁ」
由里が帰って来た!
俺は夕食の手を止めて玄関へと向かう。
「あ、お兄ちゃんただいま」
「・・・ちょっとこい!」
「え~??」
俺は由里の腕を掴むと、そのまま自室へ。
「ちょっと!離してよ!」
由里は俺の手を振り解こうと必死だ。
だが、俺は負けない!
「今日、変な電話が来た」
そう言うと由里の目が一瞬泳いだ。
「ふ~ん、それで?」
こいつ、あくまでしらばっくれるつもりか?
「真央ちゃんに近づくなって・・・今日、店で俺を睨んでた子がいた・・・多分あの子だと思う。俺の携番、お前が教えたんだろ?」
由里は観念したのか、腕の力を抜くと、
「そう、私が教えたの・・・どうしてもって言われて断りきれなくて」
やっぱり・・・しかし、分からない事がある。
「何で・・・俺が『近づくな』とまで言われなきゃならないんだ。あの子に何の権利があって、俺の心のオアシスを奪おうとするんだよ」
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