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「初めまして、水上真央(ミズカミマオ)です」
と、はにかみながら微笑んだ彼女のバックに、コスモスの花畑が見えたような気がして目を擦ってみた。
初めまして、って俺の事覚えてないのか!?
・・・当たり前だよな。
いちいちティッシュを配った奴の事なんて覚えていないよな。
でも、何でこんな可憐な子が、由里と友達なんだろう?
は!?ま、まさか!
何か弱みを握られてるとかか?
「真央ちゃんはね、私のバイト先の店長さんなの」
こいつ、新しい服やらバッグやら買ってると思ったら、バイトしてたのかよ!まぁ、うちの学校はバイト禁止されてないからいいんだけどさ。
「バイトしてんだったら、たまには俺に奢(おご)ってくれよ」
「ん~、お兄ちゃんにはいつもお世話になっているもんね。
・
・
・
だが断る!」
「何だよソレ!」
彼女は俺達の会話を聞きながら、楽しそうにクスクスと笑っている。
「あ、すいません!」
思わず謝ると、
「いえ、自分は一人っ子なので羨ましいです」
へえ、一人っ子なんだ。じゃ、俺が婿(むこ)に入る・・・違う!先走り過ぎだよ俺!
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