始まりの手紙

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ーアメリカ 某所ー エリザベス「今日もうまく騙せちゃった♪」 今にも「ルンルン」と聞こえてきそうな満面の笑みを浮かべ、エリザベスは今日も街にいた。 彼女のバーキンのバッグには、 大量のドル札が所狭しと並んでいた。 彼女は一定の住所を持たず、 気が向いた高級ホテルに寝泊りを繰り返していた。 エリザベス「今日はここに泊ーまろっ♪」 華々しく、 一際大きな口を開けたエントランスには、 何台ものハイヤーやリムジンが停車していた。 ロビーに入ると、 天井が数十メートル先にあり、 そこには、絵画が描かれていたが、 肉眼では確認できないほどの遠さを有しており、 その構造が解放感を演出していた。 エリザベスはすぐにチェックインを済ませ、 最上階… 全面ガラス張りのスイートルームに居た。 エリザベス「…98…99…100♪♪」 鼻歌を奏でながら札束を数える… そんな一時がエリザベスの至福の時であった。 プルルルルル…プルルルルル… エリザベス「何よ!人が楽しんでる時に電話なんて。 …フロントからか。」 子供のように機嫌をそこね、 しかめっ面をしながら電話を取った。 ガチャ エリザベスは相手が話す前に勢い良く エリザベス「邪魔しないでっ!!一体なんの用っ!?」 電話の主を圧迫するのに十分な声量と声色で言い放った。
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