始まりの手紙

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ー某スラム街 ジョン宅ー ジョンは、 布団を自身に覆い被せ、 その中で丸くなり、 なぜか懐中電灯を使い、 この手紙を見ていた… ジョン「出所からまだ数時間しか経ってねぇのに、 またおもしろそうなもんに出会っちまったー!!」 布団を勢い良く宙に放り出し、 ジョンは飛び跳ねるようにして喜んだ。 ジョンは目をキラキラさせ、 手紙を食い入るように見回した。 なかでも同封の偽造パスポートは気に入ったようで、 ジョン「すげぇ。 パスポートなんて初めて見るな。 まぁ…偽物なんだけどな! はっはっはっはっはー!」 何がおもしろいのかわからないが、 ジョンは何故か込み上げてくる笑いを一切拒否しなかった。 ジョン「はぁー…えぇっと… 記載の日時まであと1週間か… それまで必要な物資でも揃えてくっかなぁー」 そう言うとジョンは、高さ3メートルはあろう自宅の窓から、何の迷いもなく飛び出し、 着地に少し失敗するも、 最高の笑顔を浮かべ、 スラム街を駆け抜けて行った。
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