プロローグ

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プロローグ

2010年の24歳の夏、いつもと変わらない日曜日、熱い陽射しが照り付ける中、母親が私のワンルームマンションを訪ねて来た。 今年で42歳に成る母は、未だに若々しくて綺麗、一緒に町中を歩いて居ると姉妹と間違われるくらいに、お洒落で可愛い母親です。 18歳で私を出産して、多感な青春時代を子育てと、仕事に追われ、遊べなかった日々を取り戻す様に、今を明るく楽しんでいる様にも見える。 キャラクター商品の座布団を母に手渡して「どうしたの?今日は」と訪ねながら、お茶の用意をして居ると、母がバックの中から数枚の写真を取り出し、テーブルの上に置いて私に見せた。 手に取り見てみると、様々な男性が写っている写真。 「どうしたの?これ!お見合い写真」と笑いながら訪ねると、ジャズダンスに通って来てくれている、生徒さん達の息子さんや知人の写真だと言う。 私の母はジャズダンスと言う、ダンスフィットネスプログラムを、大勢の人の前で踊って教える。インストラクターをしていて、40歳を超えても衰えないスタイルと肉体を維持し続けて居た。 そんな母の影響もあって、私も生徒の一人として、会員に成って踊っていましたが、最近は仕事が忙しくて、週2回の夜間の部もジャズダンスもサボり気味。 会員の大半が、ほとんど専業主婦なので、私の様に仕事を抱えている独身女性の会員は少なくて、高齢の奥様達の標的に成ってしまう。 こんな私でも奥様達からは、評判が良いみたいで、息子の嫁に成ってくれないかとか、良く言われて、今回も奥様達から手渡されて、母も突き返す訳にもいかず、渋々私の所に持ってきたみたいだ。 「棗は私似で容姿もスタイルも抜群だから、こんなお節介は必要無いと思ったけどね。どうしても棗に見て貰いたいって渡されたのよ」って自分をアピールしつつ言っていた母だが、実際は一番心配して居るのが、母だと判っていた。 24歳に成っても恋人はおろかボーイフレンドも居ない私の事を・・・・ 職場に男性社員が居ないわけでも無いし、交際を申し込まれない訳でも無い。 ただ、これは私自身の心の問題、実家を出で一人暮らしを始めたのも、それが理由。 実ることの無かった私の初恋・・・・
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