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事の起こりは五日前。あたしとばっちゃんで相談して、エドにリハビリの許可を出した翌日の事だった。
本来なら、機械鎧の装着手術からたったの半年でリハビリを始めるなんて考えられない。手術後まる一年は、大抵の人は神経の接合部から来る激痛と戦わなきゃならないから。
機械鎧に慣れる訓練どころか、ベッドから起き上がる事さえ出来やしない。普通なら。
それを、あいつはたった半年で乗り越えた。
「少しでも早くアルを元に戻してやらなきゃいけないんだ。こんな痛みなんかで、時間を無駄にする訳にはいかないんだよ」
当の本人は、それでも激痛に耐えてるみたいな苦しげな笑顔でそう言ってたけれど。
だからこそ、あたしは最初、リハビリの許可には反対だった。
あたしだって、アルにも、勿論エドにも、元の身体を取り戻して欲しい。
けれど、その為に先走って身体を痛めたりしたら元も子もないじゃないの。
「許しておやりよ、ウィンリィ。あの子の決意は本物だ。誰にも止められやしないよ」
結局、ばっちゃんのその言葉と幼馴染みの懇願にあたしの方が折れた。
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