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決して無理はしないって約束で。最初は松葉杖での散歩だけを許して。
翌日の朝、あたしはエドを外に送り出した。
歩き出そうとして一瞬振り返った兄貴の顔を見て、部屋の中にいたアルがぴくりと身じろぎしたのに気が付いたけど、特には気に留めないであたしは扉を閉めた。
約束の時間が過ぎても、エドは帰って来なかった。
「―――あの、馬鹿豆っ!!」
時計の針が正午を指した頃、あたしは扉を蹴り破る勢いでアルと表へ飛び出した。
あたしの家から1km程も離れた丘の上。
大きな樫の木に半ば寄りかかる様にして、馬鹿豆はぐったりと倒れこんでた。
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