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「兄さん!」
一声叫んだアルが、あたしよりも一足早くエドの元へと駆けつける。
汗で前髪の張り付いた顔を覗き込み、疲れて眠ってるだけみたいだと報告してくれた。
「こんなに汗びっしょりで……一体何してたのよ、エド……」
「多分、組み手の型をやってたんだと思う……。ボク達が身体を鍛えるって言ったら、いつもそうしてたから」
「―――あんなに無茶するなって言ったのに……馬鹿……!」
握り拳を固くして、あたしは小さく震えながら呟いた。
こいつらが放っとけば無茶しかねない事ぐらい、あたしだってちゃんと知ってた。
知ってたのに、あたしがリハビリを許したりしたから……。
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