2人が本棚に入れています
本棚に追加
アルは今戸口の外にいる。あたしがエドを説得する間、隙をついて逃げ出されない様に見張りを頼んだから。
だから、この言い合いはアルにも聞こえてると思う。どんな……どんな思いで、アルはこの台詞を聞いてるんだろう。
アルが苦しんでるのを知ってる。エドが苦しんでるのも知ってる。
だからこそ―――これだけは、譲れない。
「あたしは……あんた達の事、どっちもものすごく大切なの。だから……解ってよ……」
一人っきりで、苦しまないで。
半泣きでへたり込んだあたしの肩に、少し間を置いて、手が置かれる。
思わず顔を上げると―――困ってるみたいな、泣いてるみたいなエドの顔があった。
最初のコメントを投稿しよう!