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「ふぅ………ん!」
ベッドから起き上がり、あたりを見渡す。
間違いなく自分の部屋だ。
ほどよく朝の陽が広い部屋に当たっている。
「今日から……かぁ……」
そう呟くと、ドアが『コンコン』と叩かれた。
「はぁい?」
「リュシー様、朝ご飯の準備ができました。どうぞリビングへ。」
どうやら使いの者らしい。
「わかりました。今行きます。」
私は適当に相づちを打って立ち上がる。
「行こう。」
今日は10年に一度の地上の見回りなのだ。
その見回りに行った者は、そこで人間として暮らし、必要な情報量を手にしてくるまで帰ってくることは許されないのだ。
「行きたくないなぁ………」
そう。
今回は………
私の番なのだ。
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