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「アンタ、何でこんなモン塗ったりしたの?」
「だって……二重になりたかったんだもん! 私だってパッチリした目になりたいんだもん!」
「……」
同情の目で私を見つめる姉。
私も姉の顔をマジマジと見つめながら、ため息が出た。
(やっぱりキレイ……私とは大違いだよ……)
姉の未央(ミオ)は私より3つ年上で、この春から大学に通っている。
私こと水野萌美(みずのもえみ)は、高校に入学したばかり。
つまり私たち姉妹それぞれにとって、新しい学校生活が始まっていた。
姉はホント、自分の姉とは思えないほどの美人で。
大きくて印象的な瞳、美しくスッと通った細い鼻筋、ふっくらとしたツヤツヤの唇、ニキビ一つない白い肌。
それに比べて私は――
一重瞼の細い目、低めの鼻、ぼってりとした大きな唇、そしてポツポツとニキビまで。
違いは顔だけじゃない。
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