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翌日――。
私は当然、授業なんて上の空。
心に浮かぶのは王子様のことばかり。
今日の夕方、王子様と話すんだ……
そう思うと緊張で食欲も失せ、お弁当もほんの少ししか食べられなかった。
「萌美、そんなに残しちゃうの?」
お弁当箱を片付ける私にヒカリが言った。
「さすがに食欲ないもん」
「だよね! ねぇ今日の私、どっか違うと思わない?」
ヒカリに言われ、私はマジマジと彼女の顔を見つめる。
(いつもと同じに見えるけど……どこが違うんだろう……?)
「わかんない。どこ?」
「もーう、萌美は鈍いなぁ。もっとよく見てよ!」
しつこく催促され、穴の開くほどヒカリの顔を凝視する私。
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