目覚め

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コン、コン……ガチャ 渇いたノック音の後に俺の部屋のドアが開いた。 「坊ちゃん、おはようございます。」 …じいや…か。 ずかずかと入ってくるなり、勢いよくカーテンを開けた。 窓から差し込む朝日が眩しい。俺は布団を頭から被った。 「じいや、昨日は遅くまでミッションだったんだ…もう少し寝かせてくれ…」 じいやはそれを許さない。 俺の命令は無視され、今日のスケジュールを読みあげる。 このじいやは、俺のオヤジが生まれる前からうちで使えてくれている使用人だ。 オヤジが死んだ今、俺の世話をしてくれている。 死んだオヤジの代わりに、人生や俺の仕事について色々アドバイスをしてくれるが、 どれも説教じみていて耳にタコができた。
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