~プロローグ~

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死に物狂いで逃げていたから気がつかなかったが、血をだいぶ流しすぎたようだ。 剣を握っている手に力が入らない。 今にも落としそうになる。 それを堪え目の前の敵を見据える。 しかし迂闊に攻撃してこなくなったのはいいが、かわりにレイピアを片手で持ちもう一方の手の平を上に向け何か呟いている。 ……非常に考えたくないが、まさか…魔法とやらですか?? あのやろう一般市民に向かって何という事を… ってか、ここ魔法使えるんかい!! どうすんだよ…あんなもん防ぐなんて俺には無理だし。 もしも「あれ」がゲームや漫画みたいな威力だったら俺確実に死ぬんですけど… ???「覚悟しなさい!」 そう言って準備ができたのか手を俺の方に向けてくる。 蓮「どうでもいいがアンタさっきから似たような事しか言ってないよな…」 ???「う…うるさいわね!!!貴方」 俺の言った言葉に怒ったのか、彼女が何かを呟いたとたんに俺の持っていたはずの剣が地面に落ちる。 蓮「えっ……」 急いで拾おうと腕を伸ばしたがその時目に入ってきた光景はズタズタに切り裂かれている自分の右腕だった。
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