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ドアを開けようとしたが、よく見るとノブが無い。ただ、そこには灰色の板が一枚建っているだけだ。
「なんだよ……。どうやって中に入ればいいんだよ!」
「おい勇輝!あっちの窓から入れるんじゃねーか!?」
俺は一度、玄関から離れて一貴が指さす方向へと向かった。
窓には罅(ひび)が入っていて、少し力を加えれば割れそうだ。
「一貴!この窓割ってくれ!」
「まかせろっ」
喧嘩が得意な一貴は、拳を握りしめ、慣れた手付きで思いっきり窓ガラスを殴打した。
しかし――
「いっっっだああぁぁあああっ!!!!」
殴りつけた右手を左手で押さえ、その場にしゃがみ込み悶える。
「いっちゃん大丈夫!?どうしたのぉ!?」
「窓硬い!マジ無理!手ー折れたかもしんねえ!」
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