ハ ジ メ マ シ テ

18/28

17402人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
ドアを開けようとしたが、よく見るとノブが無い。ただ、そこには灰色の板が一枚建っているだけだ。 「なんだよ……。どうやって中に入ればいいんだよ!」 「おい勇輝!あっちの窓から入れるんじゃねーか!?」 俺は一度、玄関から離れて一貴が指さす方向へと向かった。 窓には罅(ひび)が入っていて、少し力を加えれば割れそうだ。 「一貴!この窓割ってくれ!」 「まかせろっ」 喧嘩が得意な一貴は、拳を握りしめ、慣れた手付きで思いっきり窓ガラスを殴打した。 しかし―― 「いっっっだああぁぁあああっ!!!!」 殴りつけた右手を左手で押さえ、その場にしゃがみ込み悶える。 「いっちゃん大丈夫!?どうしたのぉ!?」 「窓硬い!マジ無理!手ー折れたかもしんねえ!」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17402人が本棚に入れています
本棚に追加