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「そしてその母親は我が子が殺された事を受け入れられないまま、残されたもう一人の子供を十歳まで育てたの」
「……十歳まで?」
ハッ!
また俺は疑問に思った事を口に出してしまった。
美月に怒鳴られる!と思い、身構えていたが美月は気にしてないようで続きを話し始めた。
「十歳まで……っていうのはね、女の子が十歳になった時、女の子が誘拐されたの。犯人から『警察に言ったら娘を殺す。三億円用意しろ』って無茶な事言われて……どうしようもないから警察に相談したんだけど、それが犯人にバレて女の子は焼き殺されたの」
「うわ……」
想像しただけで気分が悪くなる。なんで『生きている人間を焼く』なんて思いつくんだ。
俺は眉間に皺を寄せながらも、興味が無かった筈の『噂話』にのめり込む様に聞き入っていた。
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