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「何よ?」
むっとした声が頭上から聞こえ、我に返る。
「へっ!?…え、あぁ、ごめん」
訳もなく謝る俺。
「別にええけどさー…で、これは?ここから手止まってるやん」
石田の指を辿ると、ある項目。
"明日世界が滅びるなら、最後に何をする?"
「明日滅びるなら…か。何するやろなー」
石田が机に手をつき、考えている。
「…何やろ。何するやろ」
いい大人が、必死に考えている姿が何だか可笑しくて、2人で笑いあった。
「とりあえず、この下から書けば?」
石田の提案に同意し、そこから潰していこうとしたが…
「将来の夢?」
いや、だってこの仕事やし。
「100万円あったら何をする…俺はおもちゃ買うなーあ、借金の返済もせんと」
石田の現実的な発想に、シビアやなーって返したら、しゃーないやんって口を尖らせた。
「もしも1つだけ願いが叶うなら…」
石田が呟く。
「願い…」
「俺は願いの数増やす、かな」
「でた、その考え。嫌やわーせこいやん、考え方が」
「何処がせこいねん!だっていっぱい使えるようになんねんぞ!?むっちゃええやん!」
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